2月8日〜11日、那須にて、マイタケの原木づくりを手伝ってきました。
シイタケやナメコは、丸太にドリルで穴をあけ、種駒を植え込みますが、マイタケはそれとは違うタイプ。
「殺菌原木栽培」というものです。
雑菌にとても弱い菌なので、まず長時間(最低4時間)丸太を煮沸します。
そしてそこにおがくずで出来た種菌をふりかけ(こすりつけ)、袋詰めして菌糸の成長を待つというもの。
菌糸がまわったら、土に埋め込みます。
今回は、殺菌と、種菌を植え付け。
たき火に容器をかけ、ぐつぐつ煮ていきます。
容器はオイル缶というのかな、容量30リットルの缶です。
マイタケ菌1パック(1リットル)で、15〜20本の原木になるようです。
オイル缶3缶で、各2個入るので、18個分、3回にわたって煮沸を行いました。
4時間×3回!
1日目は1回だったからまだ楽でしたが、2日目は2回。
8時間以上のエンドレスたき火。
夜中までぼんぼんたき火を燃やして、お隣の人は何やっているんだろう、と思っていたそうです。

原木づくりはまずは丸太の入手から。これは父が友人と行ってきたそうです(1月10日)。
手動のノコギリで、こそっと切って来るつもりが、これだけ太い木(しかも生きている木)だとそう簡単に切れません。
結局ガソリン式チェーンソーをとりに帰り、伐採してきたそうです。
伐ったはいいけれど、運搬も大変。
「選んだ木は道路から遠く、重い原木を車まで運ぶ労力は、最近では経験したことがないような厳しい仕事でした。」
というメールが来ました。お疲れさまでした!!
で、これを15cmくらいの長さに玉切り。

更に、片側の小口に十字に切り込みを入れます。
熱のまわりをよくするのと、針金をひっかけて持ち運び易くするのが目的(父のオリジナルアイデア)。
2/8のうちに、玉切りはしておきました。

説明書に「1晩水に漬ける」とあったので漬けておいたら、がっちり凍りました。
よく読むと、水に漬けておく必要があるのは、高温高圧釜で袋詰めしてから加熱する場合で、水に入れてぐつぐつ煮る場合は不要でした。

2/9。朝から風がやや強く、これではたき火が出来ないかも、としばらく様子を見ます。
昼前くらいには段々弱まってきました。
ダンナサマに電話して(ネットで)天気予報を確認してもらったところ、概ね安定しそうとのことだったので、たき火開始!
地面の雪をある程度かきわけて、薪を並べます。

缶の底には焦げ付き防止と、対流を良くして突沸を防ぐために枝を置いてみました。

熱湯から丸太を取り出す際に便利なように、刻み目には針金をひっかけます。

木挽き台というのかな、作業台に柱を渡し、そこにオイル缶のツルをひっかけます。
父の実家のフェイジョアの枝(雪で折れた)が、着火に結構役立ちました。 メラメラと葉っぱが燃えて、油分が多い木なのかも。

ある程度は薪が集めてあったのですが、長時間たき火し続けるためには全然足りません。
という訳で、ひまさえあれば、薪拾い。
薪拾いは、私の好きな「採集」に通じるものがあります。
大物を見付けると、結構嬉しいです。
(大きすぎても運べない)
細い薪は、石に斜めに立てかけてジャンプして飛び乗り、へし折ります。
太い薪は父がチェーンソーでカット。

火が落ち着いてきたら、母のアイデアで、ちょっとお肉なんかも吊してみたり。
1日目に焼いて、余りに美味しかったので、二日目、もう1塊買いに行った程です(母が買ってきてくれました)。
バケツには木の板でフタをしておきます。
温度を保ち、蒸発をある程度防ぎ、また支柱が焦げるのも防ぐため。
・・・ 煙にまかれながら、薪を追加したりして4時間経過・・・・・

途中水位が下がってきたら水を追加します。
本当は、別鍋にお湯を沸かし、それを追加する方がいいらしいのですが、ホースを使って水を足しました。
4時間煮ると、原木は黒くなります。
「炭のように真っ黒になる」と書いてあるものもありますが、そこまでは黒くならなかったかも・・。

煮えた原木は、針金部分を持ってバケツから取り出します。
この原木が、かなりの重さ!

マイタケ専用の袋というものがあって、これを台所で煮沸殺菌しておきます。

その袋に原木を入れ、針金を外します。
ゴム手袋と、作業台の上は、一応、「アルコール除菌スプレー」を吹きかけておきました。

袋に入れた状態で、しばらく冷ましておきます。
クリップで留めると書いてあるものもありましたが、袋の口を折り返して、さかさまに置いておきました。
今回は、2/9に6玉、2/10に12玉煮沸をし、2/11に全部まとめて種菌を接種しました。

煮沸が終わった原木は、お風呂場に待避。
お風呂場全体に除菌スプレーをかければよかったのかもしれないけれど、忘れました・・・。
一応、乗せてある板にはスプレーしたけれど・・。

2/11は、朝から種菌植え付け。
マイタケ用袋を煮沸しておき、その中におがくずベースの種菌を掻き出します。最初スプーン(煮沸済み)で掻き出していましたが、ぎっしり固く詰まっていて大変!(父談)

母のアドバイスで、こうやって押しつぶしてほぐしてから出すことに。

種菌接種は、父はお風呂場でやることも考えていたようですが、結局外で行いました。
全ての原木を一旦外に出します。すごく重いので、4玉同時に運ぶのは危険(落としたりしそう)。2〜3玉ずつ運びます。

それぞれにお玉一杯くらいずつ種菌を分配。
種菌は1リットル入りなので、1000cc÷18玉= 55ccとなりますが、フワフワにほぐすとカサが増えるので、1玉あたり70cc程度(お玉丁度一杯分くらい)という感じでした。
(ものによりやや少ないのもあるかも・・・・)

どれも4時間は煮たはずなのだけれど、こんな風に薄い色のものもあります。これでも殺菌出来てるのかな・・。

原木に乗せたおがくずは、おたまの背でぐりぐり密着させておきます。
「雑菌が入らないようにすばやく」「袋を上から覗き込んだりしないように」注意すべきなのですが、結構難しいです。
「割とざっくりやっても大丈夫」と書いてあるサイトもあるので、そうであることを祈ります・・・。

私が種菌を分配し、父は袋の口をたたんで行きます。
ガサガサを固い袋なので結構大変。
手間取ります。

ある程度折ったところでホチキスで数カ所留めます。
更にその上からガムテープで密閉。
マイタケ菌は好気性の菌なので、袋には紙の呼吸用フィルターがついています。

棚の上に置いて、菌の繁殖を祈ります。
本当は15度くらいが適温らしいですが、那須の山荘は、誰も人がいないときは外気温と同じくらいに冷え込みます・・・。

たき火の残骸。
手前にある太い丸太は、3月にもう一度原木作りをしようかと父が多めに伐ってきたもの。結局、今回だけにすることにしたので、薪として使いました。
ちょっと勿体なかったかな?

オイル缶3つ。ススで真っ黒になりました。

缶を吊り下げていた角材は、途中、たき火の勢いが強くて焦げました。
あぶないところでした。

こちらは2/27の様子。父がメールしてくれました。
今のところとりたてて変化はないようです。
ゴルフをしにくる友人には絶対に触らないように言い渡してあるようです。
そして、「ジッと原木の前で眺めている時間も落ち着いて気持ちが良いものですよ」とのこと。
■マイタケ原木作り 今後の課題
・原木は、15cmより長く切るとオイル缶の中で水面からはみでてしまうので、長すぎないほうがいい。
・缶があと2つあると、たき火は2バッチでいいので楽かも。
・燃料としてはホオの木の倒木が結構いいかんじ。太くても軽く持ち運びやすいし、燃えやすい。
・後から調べると、マイタケの種菌の、表面から2センチは捨てること、と書いてあるものもあったが、今回は全部使った。
(捨てると書いていないのもあるし、多分大丈夫のはず)
・袋の口は、2回ほど折り返してホチキスで留め、更にガムテープで固定したのだが、マイタケ菌の呼吸を妨げていないか心配。
ガムテープはしない方がよかったのかな・・?
■マイタケ関連記事
(1)マイタケ植菌奮闘記(父が作業) 2009年3月
(2)2009年10月 初のマイタケ発生
(3)2010年 記録なし。猛暑乾燥の夏で発生しなかったのかな?
(4)2011年10月12日(うちに届いた日) 巨大マイタケ発生! 1.4kgもありました。
(5)2012年10月8日(うちに届いた日) 今年も大きいです。 1.0kg。
■参考情報
(1)山梨県森林総合研究所
マイタケほだ木の作り方 PDF
マイタケほだ木の伏せ込み・管理 PDF
(2)
マイタケほだ木の管理 PDF
(3)
マイタケほだ木の伏せ込み (ブログ) 写真あり
(4)
マイタケの原木作りから伏せ込み 写真多数
(5)きのこ堂日記(ブログ) の、殺菌原木栽培のカテゴリ
(個人で沢山のキノコを育てている方のようです)
・殺菌原木栽培の心構え
・燃料の準備
・ドラム缶準備
・ドラム缶を蒸し器にする
・原木の玉切り、袋詰め
・種菌の入手、接種室の準備、その他道具
・原木の煮沸 (ドラム缶ひとつにつき、原木12個が煮沸出来るようです)
・煮沸終了後の管理 (接種直後にアルコール消毒したプラスチック衣装ケースで保管)
・種菌の接種
・種菌接種後の管理 (プラスチックの衣装ケースに詰めて保管している)
・菌糸の成長に伴って袋の中に溜まる水(分解水)への対応方法
・マイタケの伏せ込み (地面に埋める作業)
・過去の日記による試行錯誤の記録 その1 その2
(6)
栽培農家によるマイタケの原木作りの様子(高温殺菌釜使用)
(7)
舞茸栽培記録
文章、写真多数。