年末の恒例作業となりつつあるスモークサーモン作り、今年もやりましたよ。
今年は、サーモンがでっかかった!
まずは写真を並べます。
■12/29

今年の鮭はこちら。
昨年はノルウェー産でしたが今年はチリ産。

25kg入り一箱で、なんとたったの7匹。
1匹あたり3.5kgということになります。異例の大きさです。
片手ではとても持てません。
今回は4匹8枚分をスモークすることにしました。

まずはウロコとり。余計なヒレも切り取ってしまいます。
ウロコとりは、たった4匹なので比較的簡単。

洗って仮置きしておくのに、トロ箱の蓋が役に立ちました。

さばくのは、今年は母。
私は時折魚を押さえたりなどのお手伝い。
ぬめってつかめない場合は、ビニール手袋の上からもう一枚軍手を嵌めると持ちやすいです。

勘を取り戻すのに、3匹くらい練習が必要でした。
最後の一匹でようやく綺麗にさばけるように。
中骨部分は、ここで1品つくるくらい、分厚く切り取るのがコツです。

腹骨を削ぐ場合は、左手でしっかり押さえて左手の感触で厚みを感じるのがコツだそうです。

最初の頃は、うまくさばけなくて身がグザグザに・・・。

あと、今年の鮭はなんか身が柔らかいです。
こんな風にパカパカと身が割れてしまうのです。
こんな状態の鮭って泳いでいて肉離れとかしないのかしらん?

背中のところも簡単にパカっと。

ソミュール液につけ込む際にはこちらの袋を使います。
3斗用漬け物袋。

10リットルの水に、11%の塩、3.3%のザラメ糖、ローリエ、黒粒胡椒を入れて煮出し、冷ましておいたもの。砂糖と、あとローリエの色かしら、かなり色がつきます。
後から思い出して冷凍刻みディル(お茶パックに入れた)、庭のタイムも入れた。

捌き終わった鮭から次々に入れていきます。
朝から作業開始して、昼どきには一応終わっていました。
上にはたまたま保冷剤が凍らせてあったので、ソレを乗せました。でもこれは失敗。
こんなに沢山のせては重すぎてダメでした。ちゃぽちゃぽと切り身が泳いでいる状態にすべきでした。

昼食後はアラの始末。
今年は父が酒かす床と味噌粕床を沢山作っていてくれたので、アラの大きい部分はそれに漬け込みます。
ラップ、粕床、キッチンペーパーの上にアラをのせてくるみます。
酒かす床の場合、魚に塩をふるべきだったのですが、忘れました・・・。でも食べるときちょっとお醤油かければ大丈夫!

くるんだものは、真空パックにして冷凍。
写真は撮り忘れましたが、カマの部分は塩麹に漬け、こちらも当面食べない分は冷凍。

腹骨のまわりなど細かい部分は茹でて身をほぐしとります。
そして母お得意のふりかけに。
■12/30

さて翌日。朝一番で、鮭をソミュール液から取り出します。ソミュール液には脂やら何やらいろいろ溶け出して濁っています。
味見したら塩辛いので、冷たい水で塩出ししました。 時間は30分くらいだったかな。
朝食時間中くらい。

全日はまだ解凍しきっていませんでしたが、一晩たつとすっかり溶けて身はぐにょぐにょ。
大きくて重く、片手では持てないので、扱いが大変です。
(昨年は小さくて軽く、また塩漬け後はぷりん、と固くなっていたので、片手で簡単に扱えた)
ペーパーを敷いたトレイの上にのせ、上からペーパーで叩くようにして水分をとります。

漬け込み後の身の状態は、昨年のノルウェー産とはだいぶ違います。昨年は、ぷりん、と固くなっていたのですが、今年はえらく柔らかいです。
後から分かったことですが、今年の鮭は脂分が非常に多かったからではないかと思います。
この大きさでこの脂肪含有量だと、もう少し長い時間漬け込むか、やや塩分濃度を上げてもいいかも。

ピチットシートを挟みながら容器に並べ、24時間程度脱水します。
ぐにょぐにょして水分が多そうなので、夜寝る前に一度ピチットシートを交換してみました。
(後でこのぐにょぐにょは水分ではないということが分かった)

ピチット中は上に保冷剤を。
この段階では多少重石が重くても大丈夫。

ハラスはソミュール液を一部とりわけて、別の袋で一晩漬けてありました。
こちらはゆすいだ後に、塩抜きはせずに干します。
毎年ヒモが竹串からすっぽ抜けて苦労するのだけれど、ハラスにひもをかけるか、Sカンを使うといいのだろうか。
■12/31

さて翌日。スモークの準備です。
皮に穴をあけ、竹串を通します。
鮭の皮は北方では靴にするくらい丈夫で固いので竹串では全然刺さらないのですが、この道具(おそらく歯医者さんの使う道具。フリマで購入)が役立ちました。
竹串にひっかけるようにして、輪にしたタコ糸をかけておきます(2重がよい)。持ち運びなどの際、非常に便利です。

スモークのスタンバイ中。
網からはみ出んばかりの大きさで、いつものスモーカーに入りません。
小さいものは網に乗せて横置き、大きすぎるものは吊すことにしました。

身が割れてしまっているものもあります。
ソミュール液を濃くして、ちゃんと漬かっているようにすればこうならないのかな?
でも捌いた直後からこんな割れがあったら、そう簡単にはくっつかないですよね?

割れていないものもあります。
色がややまだらですが、薄いところはソミュール液の中で隣の鮭と密着してしまっていたところ。
31日、1日と、4~5時間くらいずつ燻製しました。
(ハラスも一緒にスモークしました)
二日目は全て吊すことにし、一台のスモーカーでスモーク。スモークウッドを節約しました。
スモーカーに棒を2本突き刺してそこにひもをかけて吊したのですが、取り出したり上下を返してみたり、結構操作することが多いので、Sカンが沢山あればもっと便利だったかも。
■1/2

出来ちゃいました。
2日の晩の新年会で早速試食。
普通サイズのまな板からはみ出る大きさです。

とても柔らかく、またサイズも大きいため上手くスライスするのはかなり大変。父と従兄弟がいろいろ議論しながらやってくれました。

最後の方にはこんなに綺麗にスライスできるように☆
(ダイスケ君ありがとう!)
サーモンにはディルが合うのですが、今年は庭のディルが貧弱なため買ってきました。
柚子果肉ピュレやレモンを添えて頂きました。
■1/3

今年の鮭はとても柔らかいので、もう少し干してみることにしました。
朝から吊して干します。

一応直射日光は皮側にあたるようにしました。

ちょっと干しただけで、下に脂がぼたぼた。
今年の鮭は非常に脂分が多いようです。

保存は真空パックで。
真空パック機は2014年に導入したのですが、やっぱり買ってよかった。
持ち運ぶのも冷凍するのも、ぴったり漏れない袋に入っていると便利な気がします。
先日解凍したものを食べてみましたが、霜もついておらず品質は上々でした。
■今年の反省・今後の課題
・鮭の大きさや状態が作業性にかなり効いてくる。今年のは大きすぎたので、もう少し小さい方がいいかも?
・脂が多いと、食べる分にはとろけるようで美味しいのだが、身が柔らかくて扱いが大変。
もし次もこのサイズだったら、ソミュール液の塩分濃度を少し上げるか漬け込み時間を増やしてはどうか。
・今年は、味付けのバランスは非常によかったと思う。塩辛すぎず、薄すぎず。
気持甘くてもいいかな?3.5%にしてみるか?
・ローリエは新しい枝を持っていってそれを使った。(以前のものより日向臭い感じがなくなってよかった)
・捌く段階で仮置きするのにトロ箱の蓋が役立った。
■業務連絡
お母さんへ:こちらに持って帰った巨大なトロ箱のふたが、先日の大風の際に飛んで行ってなくなってしまいました。
そちらにもうひとつ大きいものがありましたっけ?
場合によっては、また貰ってきた方がいいかな?
■スモークサーモン 2014年のスケジュール
やったこと 12/25 サーモン到着(26日着のはずが1日早く届いた)寒い部屋におき、毛布にくるんで冷やしておく。一日後、ホットカーペットカバーも使ってくるんでおく。 12/27
夕方、私が実家に到着。夜、ソミュール液作成。
10リットルもの液体を煮立てる大きな鍋がないので結構大変。
(来年は巨大ホウロウ鍋を持っていくか?)
私はわらび邸で生ハム仕込み&忘年会。
サーモンとソミュール液は放置。 12/29 朝食後、解体開始。
鮭が大きくて重いので結構しんどいが、捌く数が少ないので比較的早く終わった。
身の結合組織?が弱いのか、割れやすい。
ソミュール液につけ込み、保冷剤を上にのせておいた(これがやや問題。重すぎた)。
昼食後はアラを茹でてほぐしたり、酒かす床(父作)に漬け込んだり。
今回はゆで汁は使わなかった。
夜、一度サーモンの上下を返してみた。 12/30 (塩漬け約16時間)朝起きてすぐ(8時前頃)、サーモンをチェック。
去年よりぐにょんとしたまま。しかも、保冷剤で重石をしたせいで、鮭と鮭が密着している場所があった模様。
(でもそれほどひどくない)
味見するとかなり塩辛いので塩抜き。ソミュール液を捨て、袋の中に新しい水を入れてシャワーの水をちょろちょろ出しながら塩抜き。(給湯器の電源がオンだとCマークのところでも冷水でなく温水が出るので要注意)
(塩抜き約1時間)
朝食後味見。シッポの先端で、あら、薄いかな、という程度。よくゆすいでヌメリをとり、キッチンペーパーでふいて発泡スチロール容器の蓋に仮置き。
今回蓋が数枚あり、仮置き場所として役立った。
トロ箱を一旦綺麗にし、ピチットシートでサンドするようにサーモンを配置。
(この時、ディルを挟んでもいいかもしれないが、今年は庭のディルは不作のためなし)
皮と皮をあわせる置き方の場合、その隙間はピチットでなくキッチンペーパーでもいいかも(ピチット節約のため)。皮側からはほとんど水分が出ない感じ。
夜に、ピチットを交換し、鮭の上下も入れ替えてみた。
(大きなトロ箱が2つあったので片方からもう片方に移した)
12/31 (ピチット脱水約24時間)
身が柔らかいのでピチットがだぼだぼに吸水しているかと思いきや、それほどでもない。
(後から分かったが、この柔らかさは脂によるものだった)
スモークする場所の準備。
昼すぎにピチットシートから外し、皮に竹串を刺し、網に乗るサイズのものはのせ、大きすぎるものは吊してスモーク開始(スモーカー2台)。
夜は網にのせて室内へ。 1/1 スモーク二日目。
棒からぶら下げる方法でスモーク。 こうするとスモーカー1台で済む。取り込んだ後は、ぶらさげられる場所がなく、また重さに負けて皮が破れ気味なため、網にのせて和室とお風呂場においた。
スムースな作業のためには、色々な段階で仮置きする場所が結構重要。 1/2 新年会にて試食。大好評。一枚は叔母の家にお持ち帰り。 1/3 朝から吊して追加乾燥。身が締まるにつれ、脂がぼたぼた落ちてびっくり。
チリ産はとても脂が多い。
昼くらいからプレゼント用に包んだり、自家用(冷凍用)に真空パックしたり。
結構な作業量。
(今年は巻き柿作業できず。ううう)
■スモークサーモンのデータ
手法 ソミュール法 参考:お刺身用〆サーモン 参考レシピ 2012年末作成 2013年末作成 2014年末作成 (乾塩法) サーモン 3kg チリ産 大きめで脂のりのり1匹約1.8キロ。
7.7kg 半身10枚 ノルウェー産 やや小ぶり。脂はチリ産よりは少なめ。
1匹約1.2キロ。
9.1kg 半身16枚 チリ産。かなり大きい。脂も多く身の組織が割れやすい。25kg箱7匹入り。1匹約3.5kg。
正味9.5kg半身8枚 1kg 塩 1kg
(水の20%) 500g
(水の10%) 1.2kg
(水の12%) 1.1kg
(水の11%) 40g
(鮭の4%) 砂糖 300g
(水の6%) 150g
(水の3%) 300g
(水の3%)
(もう少し多くてもいいか?) 330g
(水の3.3%)
昨年の一割増 20g
(鮭の2%) その他・スパイス ソミュール液用 黒粒胡椒
オイル漬け用に太白胡麻油 ソミュール液用にローレル、黒胡椒粒、タイム ソミュール液用にローレル、黒胡椒粒
オイル漬け用に太白胡麻油 ソミュール液用にローレル、黒胡椒粒(以上煮出した)。後から生タイム、冷凍刻みディル(お茶パック) 胡椒、ローリエ、ディルなど適宜 水 5リットル 5リットル 10リットル 10リットル
(ハラス用にとりわけるので11リットルあってもよいかも) ---- 乾塩法の塩分濃度
(*1) ---- ---- ---- ---- (40+20)/1000
=6% ソミュール法の塩分糖分濃度
(*2) (1000+300)/
(5000+1000+300)
=20% (500+150)/(5000+500+150)
=11% (1.2+0.3)/(10+1.2+0.3)
=13% (1.2+0.33)/(10+1.2+0.33)
=13% ---- 下ごしらえ
(*3) ピチット5時間
↓
塩漬け10時間
↓
(塩抜きなし)
↓
乾燥9-10時間
↓
オイル漬け10時間
↓
乾燥10時間 塩漬け15時間
↓
ゆすぎ洗い
↓
(塩抜きなし)
↓
ピチット20時間くらい
塩漬け16時間
↓
ゆすぎ洗い
↓
塩抜き1時間弱
↓
ピチット24時間
↓
(一部のみオイル漬け約10時間)
↓
(オイル漬けしたものは再度ピチット一晩) 塩漬け16時間
↓
ゆすぎ洗い
↓
塩抜き1時間弱
↓
ピチット24時間ちょい
塩漬け12時間
↓
ゆすぎ洗い
↓
(塩抜きなし)
↓
食べる
(ゆすいだ後ピチットや昆布などで脱水しても可) 燻製 15-30度
1日あたり10時間程度を5日間
(温度は初日ほど低め。最終日は温度高めで5-6時間) 初日雨だったためスモークののりが悪く、3日ほどかけて燻製。
燻製後、吊して干したりした。 30度以下
1日あたり数時間を2日程度。
最初は煙を流しながら。
初日は鮭を網に水平にのせた。
2日目はヒモをつかってぶら下げてスモーク。こうするとスモーカー1台で12匹つるせる。 30度以下
1日あたり数時間を2日程度。
鮭が大きくて苦労した。
初日は1台では網にのせ、もう1台では吊した。
二日目は全ての鮭を吊して燻製。 ---- レシピに関する補足 ホテルのレシピ。
砂糖は果糖を使用。
鮭:ソミュール液
=1kg:1.7リットル 鮭:ソミュール液の水の量
=1kg:0.6リットル
(これでは足りない) 鮭:ソミュール液の水の量=1kg:1.1リットル 鮭:ソミュール液の水の量=1kg:0.94リットル
(液1リットルはハラス用にとりわけた) 塩漬け12時間後、塩分がまだ溶け残っていることもあった 出典 『燻製工房』
(平凡社) fleur de sel さんのレシピで2007年1月に初挑戦 10%のソミュール液はあれ?というくらい薄く感じた。
ソミュール液の量が圧倒的に足りず、鮭が密着して味がよく染みておらずよくなかった。干すことで、なんとか塩分濃度があがっていった。 ソミュール液は10リットルで十分足りた(鮭より多い水の量だとよさそう)。
12%のソミュール液は、かなり塩辛い。(煮溶かしたあと、蒸発した可能性もある)
鮭は途中塩辛いかと思ったが食べると丁度いいくらい。
甘さはあと少しあってもよかったか。
オイル漬けすると身が痩せにくいような気がした。味は同じか、やや塩味マイルドに感じるかもしれない。 ソミュール液はハラス用に1リットル程度とりわけるのであと1リットル(計11リットル)あるとよいかも。
塩味は丁度よかった。砂糖は水の3.5%でもいいか。
鮭が大きすぎて難儀だった。
あと、鮭の身が柔らかく生のときから割れやすかった。ノルウェー産の方が作っていて安心な感じ。
味は、脂が多いのでとろけるような感じ。ノルウェー産を油漬けしたのと同じくらいかも。
(*1)乾塩法の塩分濃度: (砂糖+塩)/鮭 計算結果は小数点以下斬り捨て
(*2)ソミュール法の塩分濃度: (塩+砂糖)/(水+塩+砂糖) 計算結果は小数点以下斬り捨て