Quantcast
Channel: 採集生活
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1939

ニンニクの品種

$
0
0

イタリアのヌビアとスルモナのにんにくが全然違うのに驚いて、ニンニクの品種について調べてみました。
日本の種苗会社の通販サイトにはせいぜい10種類未満しかありませんが、英語のHPまで調べてみると、どうやら200以上もの品種があるようです。 びっくり!
写真はないのですが、表があって長い記事になったのでひとまずアップします。

===

今のところ、うちで育てているのは(1)福地、(2)島ニンニク、(3)山形の最上赤ニンニク、(4)スペインのアホ・サント、イタリアの(5)ヌビアと(6)スルモナ、の6種。
鱗片数が10片未満と少なめで、保存性がよく、外見が綺麗なニンニクがあれば、もっと色々育ててみたいです。
(アメリカに住んでいたらネットでいろいろ買いまくっているかも)
でも粗忽な私はまぜこぜにしてしまいそうな気もします。


==============
■■日本各地および中国などのニンニクの分類 

表1は、主に日本各地、東アジア、一部欧米のニンニクを61種栽培し、越冬時の草型、冬季の成長性に着目して分類した研究論文より引用。1987年頃、長崎で栽培して調査したということです。
(長崎で、北海道の品種などもちゃんと育つのだろうか・・?) 
この研究では、それぞれの品種ごとには花序の状態やどのような珠芽がつくのか、花茎の形状には言及されておらず、残念。 
(珠芽数は10程度~100以上まで様々あったようですが)
 

表1 生態学的観点から見たニンニクの分類

区分 低緯度型 中緯度型 高緯度型 冬季成長性 継続 中間 停滞 結球早晩性 極早生 早生 早中生~中晩生 中晩生 晩生~極晩生 抽苔性 不完全 完全/完全~不完全 不完全 完全 完全 完全~不完全 不 完全 不完全~不 不 鱗片 着生層数 多 2 多 2 2 多 2 多 数 多 中 やや多 極多 中 少 中 中 やや多 極多 中 少 少 品種名 タイ国、中国貴州(B)、長沙、成都、沖縄早生、瀬戸内 南京

台中軟骨、台湾軟骨、学甲 / イタリー、
遠州極早生(台)、
浜松産(台)

エジプト 延平、台湾在来 海南島、沖縄(1)(2)、
与論島、エラブ小球、大島(2)(3) 上海系、嘉定、
河南、
鹿児島在来、
天草在来、
佐賀在来、
高知在来、
韓国暖地(B)、
韓国寒地、
昆明、江蘇、壱州早生、千葉(B) 中国貴州(A)、山東 チリー、カリフォルニア 加州早生、加州晩生 七里営、中国ウルムチ、八幡平、
岩手桃色、福島在来、七ヶ浜在来 石川六片、福地系、富良野 ニュウホワイト Fujikaメモ           沖縄の島ニンニクはこのグループということか。        アメリカでいうアーティチョークグループに相当か      

出典:資料(1)




=======
■■アメリカでの分類

アメリカではハードネック(完全抽台)、ソフトネック(不抽台)、不完全抽台と大きく分け、その下位を下記のようにいくつかのグループに分類するのが一般的なようです。 
日本語の種苗販売サイトではニンニクの品種は10も出てきませんが、さすが移民の国アメリカ、世界中から何百もの品種が集まっているようです。(しかもアメリカ国内では実際他品種を栽培している育種家がいて、取り寄せてることが出来る)。ニンニクにこんなに品種があるとは驚きでした。

日本は抽台する品種が主流で、抽台せず、タマネギのように収穫期には倒れるソフトネックの品種は見かけない気がします。
通常三つ編みにするのは、このソフトネックの品種のはず。なので日本では三つ編みニンニクが一般的ではないのだと思います。
ソフトネックは日本での栽培は、気候が合わないのかな。鱗片数が12~時には20以上になったりなど基本的に多いので、日本人消費者の好みに合わないのかも。
ソフトネックには、アーティチョークとシルバースキンの2つのグループがあるようですが、ソフトネック品種自体見たことがないので、解説を読んでもこの2つのグループがどう違うのか、見当がつきません。

抽台するものは、完全・不完全あわると、ポーセリン、Rocambole、パープルストライプ、クレオール、アジアン、ターバンと6タイプに分けられるのだとか。
鱗片数はソフトネックより少なく、4つというえらく少ないものから12程度まで。
外皮や鱗片の皮の色も、品種によってさまざま。

花序の形や珠芽の大きさもいろいろで、米粒大の珠芽が沢山ついて、花序がターバンのような形になるものもあるそうです(ターバンタイプ)。
写真(例えばこちらなど)を見ているとワクワクします。


ニンニクの品種等についてとても詳しい英語のサイト(資料(2))をみつけたので、表形式に再整理してみました。
分からないところは飛ばしたり、適当に意味が通るような日本語にしてしまったので、忠実な翻訳ではないです。
(間違いにお気づきの場合はご指摘下さい)

グループごとに特徴があるのはもちろんですが、品種によっても色々個性があり、めまいがするほど。
育てている人は、区別がつくのかしら??

品種名には国名がついたもの(ジャパニーズやユーゴスラビアンなど)や持ち込んだ人の名前がついたもの(Al Music氏によってカナダに持ち込まれたMusic)があるけれど、その原産国ではいくつもの品種を育てているだろうし、それぞれ地元では別の名前があるのではないかと思います。こんなおおざっぱなことでいいのかしら?

春にトウ立ちする花茎のカーブの形状は、逆U字型、3/4円、二重円など、種類によって決まっているというのは初めて聞くことでした。
来春もっと注意深く見てみよう。

日本語の不完全抽台は、花茎が長く伸びず、珠芽が茎の中途に止まったりするもののことを言うようです。
で、英語のWeakly Bolting は、弱い抽台、という意味だと思うのですが、日本語の不完全抽台と同じことと言っていいのかな?よく分かりませんが、不完全抽台と訳しました。

日本とアメリカではニンニクの分類が全然違う・・・というか、日本の一般向けサイトにはニンニクの分類の話は全然ないので、日本の品種がアメリカの分類とどう対応するのかはさっぱり分かりません。全部アジアン?というには違うものもあるし。とするとアメリカの分類も完全ではない気もします。



表2 アメリカで栽培されているニンニクの分類
■抽台するグループ

抽台性 Hard-necked garlics (Ophioscorodon) ハードネック (完全抽苔)  グループ  Porcelain Garlics
ポーセリン(陶磁器)ガーリック  Rocambole Garlics
ヒメニンニク  Purple Stripe Garlics 外見 外皮は厚く羊皮紙のようにしっかりして、鱗片をぴったり包んでいる。
色は白、または内側の層には紫の筋が入ったり、象牙色(Zemo) から紫がかったもの(Romanian Red)もある。
鱗片はやや細長く、皮はしゅっと伸びた先端を持ち、金茶色、ものによっては特徴的な紫の縦縞が入る 他のハードネックに比べて外皮が薄く、紫色の縞やマダラ模様が多い。
また皮自体に白っぽさがなく茶色がかっている。 名前の通り鮮やかな紫の縦縞が外皮にある。紫と、通常は真っ白の縞であり、厚い外皮である。 鱗片数 少なめ。小さな分球した粒はなく、それぞれの粒が大きい。
一球に5片というものもある。
このことによりいくつかの不利な点がある。
・一粒が、丁度使いたいサイズより大きすぎることがある。
(複数の品種を栽培する理由のひとつでもある)
・翌年の植え付けのために、収穫のうちより大きな割合をとっておく必要がある。 

8~10片が軸の周りに円形に並び、分球した極少の鱗片は少ないか、みられない。

鱗片数は少なめ。Marbled Purple Stripe garlicsは平均すると大粒が5片。 球のサイズ 玉の直径は2.5インチ(6.3cm)程度であるが、3インチ(7.6cm)のものも珍しくない。しかし大きさよりは味のよさと保存性という観点で重視されている。     保存性 とてもよい。Silverskinに継いで2番目の長さである。
生育状態がよければ8~10ヶ月、またはそれ以上、涼しい室温の場所で保管できる。 短い。冬の半ばを超えては保存出来ない。 とてもよい 味 味は一部の例外(Georgia Crystal や Musicなど)を除き一般に強い風味。
特に強いのはRomanian Red (これが一番という人もいる)、Wild Buff,  Rosewood  など.  とてもとても風味豊かで、ほとんどのものが辛味がある。 味は比較的濃厚な傾向があるが、過度な辛味はない。
Standard Purple Stripes (Chesnok Red、Persian Star)のローストガーリックは大変に甘い。
Metechi 、Skuri #2などはとても強い風味であり、Siberian、 Persian Star、Chesnok Redはマイルドで中庸な風味。  抽苔scapes 春に抽苔する。
花茎のカーブの形状はまちまちである。  春には抽台し、花茎は完全な二重円を呈する(花茎は最後にはまっすぐになる)。 春には抽台し、最終的に直立する前に、花茎は3/4円をなす(その後まっすぐになる)。   Porcelain garlics は各種ニンニクの中でもっとも美しく、食べてしまうには勿体ないほど。
地下で育ったのではなく、誰か偉大な彫刻家が彫り出したのではないかと思わせる程。
春に抽台する。例えば Purple Stripe garlicsは3/4円をなし、Rocambolesは二重円をなすなど品種の特徴があるが、Porcelain garlicの場合は決まったパターンはない。かつてこの系統はヘビニンニクと呼ばれたが、春の畑でのポーセリンガーリックは、ヘビがうねっているようにも見える。

非常に丈夫で、米国全土でよく育つが、北方で育てる方が、南方に持ち込むよりよく育つ傾向がある。亜熱帯より北ならば栽培可能。

ポーセリングループは、他のニンニクに比べて比重が最も重い。それゆえ研究者達は、このグループ、特に辛味の強いものほど医学的により優れていると言っている。

珠芽を植えると完全に大きくなるには2シーズン必要であるが、これは全部食用に回せるということになる。
収穫は晩生であるが、シルバースキンよりはだいぶ前である。

ポーセリンは、珍しさと、鱗片数が少ないことによる生産効率の悪さから、しばしば他のニンニクよりも高価となる。

近年のDNA研究によると、ポーセリングループ内の品種は遺伝子的に似ているが、他の品種とは明確に異なるということである。

Rocambole garlicsは、見た目の美しさには欠けるが、味で埋め合わせが出来る。
多くの人は("Growing Great Garlic"の著者Ron Engelandも)これを好みのニンニクと言っている。
悲しいことに、この系統は暖かい気候条件では育たない。生育にはテキサス州よりはごく寒い冬と涼しい春が必要となる。テキサスで数年間南方化させようと栽培を試みたがうまく育たずに死んでしまった。
一番の問題点は、保存期間が短いことであり、冬の数ヶ月はいいニンニクなしということになってしまう。そのためRocambolesと同様北方で栽培可能で保存期間も長いPorcelainsとあわせて栽培することをお勧めする。

Purple Stripe garlicsのグループに属する一部の品種は、紫色のまだら模様が濃いものもある。
生育環境や特に気象条件で着色は異なってくる。

収穫期は中生だが、大型の品種は晩生となる。
standard purple stripes系統に加え、the glazed group とthe marbled groupのあわせて3系統がある。
どちらもやや厚い外皮をもつ。
Purple stripesはとても美しいニンニクで味は様々。

品種名 Armenian, Bavarian Purple, Elmer’s Topset, Floha, Georgian Fire, Georgian Crystal, German Extra Hardy, German Porcelain, German White, German Stiffneck, Kazakhstan, Krasnodar White, Kyjev, Leah 99, Legacy, Leningrad, Music, Northern White, Pennsylvania Dutch, Pink Music, Polish Jenn, Polish Hardneck, Romanian Red, Rosewood, Shandong, Stull, Wild Buff, Wildfire, Vostani, Yugoslavian, Zemo

Amish Rocambole, Bavarian, Brown Saxon, Caretaker, Carpathian, Celeste, Czechland Race, Easy Peel, George, German Giant, German Mountain, German Red, Hnat, Italian Easy Peel, Killarney Red, Korean Red, Krasnodar Red, Kuty, Martin’s Heirloom, Merrifield Rocambole, Montana Giant, Ontario Giant, Ontario Purple Trillium, Paw Paw, Pitarelli, Purple Italian, Russian Red, lovenian, Spanish Roja, Temptress, Ukraine, Youghiogheny Purple, Yugoslavian

【Standard】Belarus, Chesnok Red, Chrysalis Purple Garlic, Fireball , Klaver, Montana Carlos, Persian Star, Red Estonian, Red Grain, Shatili, Shevlisi, Slovenian

【Glazed】Celeste, Brown Tempest, Purple Glazer, Red Rezan, Vekak

【Marbled】Belarus, Bogatyr, Brown Tempest, Brown Vesper, Bzenc, Gourmet Red, Khabar, Metechi, Pskem, Siberian Fujikaメモ 福地ホワイト六片は、綺麗な外見と晩生ということからこの仲間に入るのではないか。でも珠芽が茎の途中に止まる不完全抽台なのでアジアティックグループか?    完全抽台でやや色が付くので、山形の最上赤ニンニクは分類するならばこの仲間か又はポーセリンではないか。
アブルッツォのニンニクはこっちかな。 


■抽台しないもの

抽台性 Soft-necked garlics (Allium Sativum Sativum)
ソフトネック (不抽台)  分類  Artichoke Garlics
アーティチョーク  Silverskin Garlics
シルバースキン  外見 概して白いが、アジア系のものは色が付くことがある。 外皮は真っ白であるが、鱗片の皮はNootka Roseや Rose du Varのように鮮やかなものもある  鱗片数 非常に多い。
12~20  平均するとアーティチョーク系よりは多い。
いくつかの品種、Mexican Red Silverなどは多数の分球した鱗片を持つが、S & H and Silverwhiteなどはほぼ全て大きな鱗片であり、小さな分球はほとんどない。
小さな鱗片は、潰してスープに加えたり、植えて葉ニンニクを育ててもよいし、ピクルスにもなる。  球のサイズ 大きめ  アーティチョーク系よりは小さめ 保存性 よい 最晩生であり、保存性は全品種の中でもっとも長い。室温で10ヶ月も保存出来るというのは他の種類には出来ないことである。翌シーズンの早生ニンニクを掘り出す頃まで、しっかり固いニンニクが保存できる、というのはシルバースキンでは珍しくない。いいニンニクを周年自給するには重要な存在である。 味 マイルドなものから強い風味のものまで様々。Simoneti やRed Tochはマイルドで柔らかな風味、そのほか、Inchelium Redと Susanvilleは深みのある風味。 Chinese PurpleやPurple Cauldronは強く後に残る味。 品種により異なるが、ごくわずかのマイルドな品種を除き、辛味があり強い風味 抽苔scapes アジア系のアーティチョークは抽台する傾向が強い。 しない。
各種ニンニクの中で一番長い茎と、柔らかく編み上げることが可能な軸を持っている。  解説 

アメリカのスーパーマーケットで最も一般的な品種。
California Earlyと California Late はカリフォルニア州で広く栽培され全国に流通し、一般消費者にニンニクといえばこれがイメージされる。
の品種よりも栽培が容易で、幅広い栽培環境へ適応し、大玉が穫れるため商業栽培で主流となっている。
Artichokes系統はしばしばred garlics又はItalian garlics と呼ばれるが、実際は赤くないし、イタリアで育てられてもいない。
(名前にredがつくものでも赤くないが慣習的にそう呼ばれている)

一般的に、編み上げて販売されているものがこれである(全てという訳ではないが)。
アーティチョーク系統はネックが千切れやすいのに比べ、シルバースキン系は柔らかくしなやかな茎を持ち、保存性の高さから編んだ後に長い期間吊しておくことが可能である。

米国のほぼ全ての地域でよく育つ。

それぞれの品種で、味、鱗片の色、葉の色や大きさ、成熟時期は様々に異なる。シルバースキングループの各品種はそれぞれすっかり異なるともいえるが、どれもシルバースキングループである。

例えば S & H Silverskinは生でほんの少量囓っただけでも、ジャコウっぽく、土のようなニンニク風味がある。一方 Locati は火のように辛い。Silverwhite もまた豊かな風味で、囓って15-20秒は穏やかな味だが、その後強い辛味が来て、それが30-45秒続く。Nootka Rose も同様だが、辛味は中程度である。Silverskinsグループの味の多様さには驚かされる。

アーティチョークグループとは異なり品種によって成熟の時期が異なる。最も早いのはMother of Pearl、次にMild French と S & H followingが続き、最後から2番目にSilverwhite 、ほぼ一ヶ月後にNootka Roseがようやく収穫期を迎える。Nootka Roseは最も晩生で完全に成熟するのは7月下旬から8月である。つまり、この品種は暑さに負けずに生育するということになる。 品種名 Applegate, California Early, California Late, Chamiskuri, Chinese Red and White, Early Red Italian, Inchelium Red, Italian Late, Italian Loiacono, Italian Mountain Red, Italian Purple, Kettle River Giant, Lorz Italian, New York White, Polish Softneck, Polish White, Red Toch, Rogue River, Red Simoneti, Siciliano, Susanville, Simonetti, Thermadore, Transylvanian Baja Morado, Locati, Mexican red Silver, Mild French, Mother of Pearl, Nootka Rose, Rose du Var, St. Helens, S&H Silverskin, Sicilian Silver, Silver Rose, Silver white Fujikaメモ アーティチョークとシルバースキンの違いはよく分からない   


■不完全抽台

抽台性 Weakly Bolting Hardneck Garlics(不完全抽台) 分類 the Creole Garlics
クレオール Asiatic Garlics
アジア系 Turban Garlics
(花序が)ターバン型 外見 外皮および鱗片を包む皮は明るいローズ色。 Asiaticsの外皮は比較的白く分厚く羊皮紙状で、鱗片は麦藁色である。 Turbans系統は外皮の色はカラフルで、まだらだったり、ものによっては真っ白に鮮やかな赤又は紫の縞など様々。
鱗片の皮の色は茶色っぽい。 鱗片数 大粒が8~12
円形に配置。  大粒が9~12片で花茎の周囲にぐるりと配置している。分球した極小の鱗片はない。 アーティチョークより少なく、大粒の5~7片程度が花茎周囲に放射状に並び、分球した極小の鱗片はない 球のサイズ 寒い気候では比較的小さめ      保存性 the Creole Garlics 保存性はよくない。常温で5ヶ月以上はもたず、秋には芽が出てくる。 保存性はよくない。常温で5ヶ月以上はもたず、秋には芽が出てくる。 味 風味はよいがぴりっとした辛味は穏やかで生食にも適しているものが多い   味は強め。 抽苔 scapes 抽台するものもあればしない株もある。ハードネックとソフトネックの中間の性質。
花茎は珠芽を地面に落としやすいようなU字型を描き、その後真っ直ぐになる。 大半が抽台し、花茎の形状は逆U字型。
花序はTurbanよりは小さめである。
総苞の先端部は12-18インチ(30-45cm)もあり、全てのニンニク品種のうち最も長い。
豆粒大の大きな珠芽数個を形成する。

大半が抽台し、花茎はUを逆さにした形状。
花序は、Asiaticsが比較的小さいのに比べ、Turbans は大きめで、ターバンのような形状(こんな感じ?)。
珠芽を包む膜を総苞といい、その先の尖った部分をbeakというが、この部分の長さは6~9インチ(15~23cm)にもなり、ニンニク品種グループのうち第2の長さである。
30~100もの無数の米粒大の小さな珠芽がつく。

  The Creole garlicsはスペイン原産でコンキスタドールを介してアメリカに伝えられたことから名付けられた、美しく、また特徴的なニンニクである。
以前はシルバースキングループのひとつと考えられていたが、2003年に植物学的に異なるグループと明らかにされた。実際、一見すれは他と違うのは明白である。
形状は異なるがporcelainに匹敵する美しさである。
米国南部の暖かい気候で育てやすく、悪い気候条件にも他品種より比較的よく耐える。
(現代の)フランスやイタリアにも、このクレオールと同じグループのニンニクがある。 Asiatics と Turbans は共に極早生の収穫であり、普通のニンニクが出回らない時期に早出しが可能である。
他のニンニクは収穫のタイミングでタマネギのように茎が倒れるが、この2つはこのタイミングでは遅すぎる。(倒れるまで長く地中におくと表皮が腐ってなくなってしまう)
表皮が失われると保存期間は更に短くなる。

不完全抽台性のAsiatic と Turbanは、従来はArtichokeの仲間に属するとみなされていたが、近年のDNA研究で、不完全抽台の品種は、完全抽台・不抽台性のグループとは区別されるべきだということが分かった。

 

このグループのうち一部は、口にした直後に分かる辛味があるが、他のものは30秒後くらいに口中に辛味が広がってくる。
ぴりっとした刺激があり、ジャコウのような後味がある。
全ての品種がとても辛い訳ではなく、多くの品種が程々の刺激の豊かなニンニクの風味を持つ。

不完全抽台性のAsiatic と Turbanは、従来はArtichokeの仲間に属するとみなされていたが、近年のDNA研究で、不完全抽台の品種は、完全抽台・不抽台性のグループとは区別されるべきだということが分かった。

Asiatic と Turban を収穫する際のコツは、実際掘ってみて適度なサイズになったら収穫することである。
地上部が倒れるまで待つのは適切でない。

適切な灌漑が行われるならば、乾燥した気候(米国南西部)でとりわけよく育つようである。
Asiatics と Turbansは早生のため他に先駆けて新鮮なニンニクを収穫でき、長期保存可能なニンニクに加えて栽培することで、ニンニクの周年自給が可能となる。

品種名

Aglio Rosso, Ajo Rojo, Burgundy, Creole Red, Cuban Purple, Germinador, Guatemalan, Labera purple, Morado Gigante, Native Creole, Pescadoro Red, Rose de Lautrec, Spanish Benitee

Asian Rose, Asian Tempest, Japanese, Korean Mountain, Korean Red, Pyong Vang, Russian Redstreak, Sonoran China Dawn, Chinese Purple, China Stripe, Dushanbe, Early Portugese, Lotus, Maiskij, Red Janice, Shandong, Shilla, Thai Fire, Tzan, Xian Fujikaメモ  鱗片の皮が鮮やかな赤なので、シチリアヌビアのものはこれの仲間ではないかな? このジャパニーズっていう種類は一体何だろう?福地は、茎の半ばに花茎が止まる不完全抽台だが、保存性はよいので完全にはアジアティックにはあてはまらないと思うのだが。
沖縄の島ニンニクは、早生で大粒の珠芽を形成するのでこのグループになるかも。  アブルッツォのニンニクはこの仲間のように見えるが・・・。トウ立ちしてターバンみたいな花序が出来るかどうか、楽しみ。 

出典:資料(2)、(4)

 

■参考資料
(1)ニンニクの品種の特性と分類,石橋祐二ほか(1987),長崎総農林試研報(農業部門)15:95~111,第15表 品種の分類
http://www.n-nourin.jp/nougi/theme/research_report/PDF/15-6.pdf

(2) Gourmet Garlic Gardens
 http://www.gourmetgarlicgardens.com/index.htm
ニンニクの分類、品種ごとの解説など、非常に充実した内容です。

(3)(2)のサイトの管理者さんはおそらくChester Aaron氏。
ニンニクに関する著書があるようです。 
Garlic Is Life
The Great Garlic Book: A Guide with Recipes
Garlic Kisses and Tasty Hugs
文字ばかりでなくて写真がいっぱいあるならば買ってみたいけれど・・・。 

(4)表2のニンニクの品種の部分は、こちら http://wegrowgarlic.com/7422.html を参考にして追記。
それぞれのニンニク品種の写真と解説があります。 
ウィスコンシンの農場主で、土地を貸して小作してもらうほか、自分たちの趣味としてニンニクを育て販売しているようです。 

(5)ニンニクのDNA研究の論文。
211種のニンニク品種の遺伝子分析をしています。誰か訳して・・・。
Journal of the American Society for Horticultural Science(JASHS) July 2004 vol. 129 no. 4 559-569
Genetic Diversity among U.S. Garlic Clones as Detected Using AFLP Methods 
Gayle M. Volk1, Adam D. Henk and Christopher M. Richards
http://journal.ashspublications.org/content/129/4/559.full.pdf+html 

(6)異なる場所で栽培した場合の、ニンニク各品種の表現型に関する論文
Phenotypic Characteristics of Ten Garlic Cultivars Grown at Different North American Locations
HortScience August 2009 vol. 44 no. 5 1238-1247
Gayle M. Volk, David Stern
http://hortsci.ashspublications.org/content/44/5/1238.full#xref-ref-36-1
要旨:
・鱗片の配置、珠芽の数、珠芽の大きさ、珠芽の色、鱗片の数、鱗片重量、鱗片の皮の色、および鱗片の皮の密着度合いは、栽培場所や条件に関わらず、品種ごとにおおむね一定。
・土壌のカリウム濃度は、球根周囲長と重さに相関。
・球根外皮の色と強度は場所や品種に大きく依存 

(7)ニンニクの品種 
全てのグループのニンニクが、アルファベット順に並んでいます。
それぞれの写真あり 英語
鱗片数片の写真はありますが、1個あたりの鱗片数の情報はなく、まるごとの外見写真から類推するしかないです。


(8)アメリカの種ニンニク販売 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1939

Trending Articles