坂茂氏デザインの現代建築、台南市美術館、最上階はレストランです。
しばらく前にオープンしたところのようで、開店時のものと思われる花飾りがまだ残っていました。
そのアレンジメントが、とっても素敵。
基本的に花より団子の私ですが、つい見とれてしまいました。
写真もいっぱい撮ってきたので、ご紹介します。
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開店祝い的な花飾りは、台湾では比較的目にする機会があります。
だいたいはこんな感じ。カラフルで豪華な見た目です。
「赤」はめでたさには不可欠のようで、必ず使われるような気がします。
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こちらは、アレンジメントは白いユリと緑色のにょっきりしているやつ(名前教えて下さい)がメインですが、リボンで赤を入れています。
こういうよくある「祝い花」と、今回のお店の飾りつけは全く違うテイストで、びっくりしました。
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入り口付近。
天然のツルバラのようなしつらえ。色は、白とサーモン色。
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白、緑、サーモンピンク、クリーム色でまとめています。
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縦長や、蔓がたれさがる形状の植物も交えて、どこかの庭園にありそうな感じ。
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手すりにも花と葉っぱをからませています。
だいぶしおれていますが、それはそれで趣がありました。
活けたては、どんなにか綺麗だったことでしょう。
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紫色の濃淡で統一されたアレンジメント。
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トルコキキョウ、にょっきりしたやつの紫バージョン、グラジオラス?、まるまるしているのは菊?、あと中央やや右下のは、葉牡丹でしょうか。
葉牡丹って、観賞用植物の中ではかなりキライなものだったのですが(だったらキャベツ植えといたらいいじゃん、と思わずにはいられない)、こうやって使うと、なんかアリかも。
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丸くて大きなのは、菊?。
菊の品評会などで展示されている鉢植えの菊は、一般家庭ではどこにも飾り用がないような純和風スタイルですが、この菊は、こういうアレンジメントに混ぜて使われていると、ほかと調和しつつも存在感があって、綺麗な花だなあ、と思えます。
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こちらのアレンジメントは、緑と白の色合い。
薄緑色のアジサイは、わざわざ植えたくなるような色ではないかもしれませんが、アレンジメントに使うと映えますね。
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パープル系アレンジ。
これも本物の花だったと思うのだけど、真っ青な菊はありえない色ですよね。
何か色素を吸わせているのかしら。
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ピンクと白のアレンジ。
マダラのあるランって、単体で見ると存在感強すぎなちょっとグロテスクな花ですが、ピンクのバラがメインのファンシーな花束にもよく合うのですね。
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黄緑の蘭とピンクのカーネーション。
葉っぱの飾りが少ない代わりに緑色の蘭なのかな。ちょっと変わった組み合わせです。
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白っぽい緑色とピンク系、そして黄緑の蘭。
このアレンジメントだったら、蘭がない方が好きかも。
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薄紫色系のアレンジメント。
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チューリップが、なんともいえないシックな紫色。
葉脈の部分が線状に色づいています。
これは、こういう品種なのでしょうか、それとも染めてあるのかな?
公園などを飾るにはこの色合いはシックすぎるかもしれませんが、アレンジメントにして室内を飾るのにはなんとも絵画的で素敵。
『おだまり、ローズ』という本を最近読みました。(面白いのでおすすめです。)
イギリスの大金持ち貴族夫人(イギリス初の女性国会議員となったナンシー・アスター)のお付きメイドの回想録です。
これを読むと、社交(パーティ)も、いわば必要な事業だったようで、
40人の正式な晩餐に引き続いて、850人も来るようなレセプションが、年に何度もあったとか。
そういうパーティでは、食器やお料理の選択は当然ですが、室内装飾も重要なポイント。
何しろ来客は、それぞれ自分でもパーティを主催するような目の肥えた貴族階級。
食卓や室内を植物で飾りつけるのは「デコレーター」で、この著者のつとめていたお屋敷では、庭師の一人がその仕事を担当したとか。
田舎のお屋敷の庭園で、丹精込めて育てている花木や果物は、この時が出番。
(つねに何種類もの花を切らさないように、温室も活用されていたのだと思います)
今と違って、フラワーアレンジメント講座などもない時代。
バラだけ、とかならまだしも、いろいろな花を混ぜてのアレンジメントは難しくて苦手なのに女主人に頼まれてしまって、悩みぬいた末、田舎の道ばたの花盛りの様子をみて、そのエッセンスを再現するようにしたそうです。
睡蓮を使った食卓用花飾りも、目新しくて大好評だったとか。
(見てみたいものです)
今ならば自分の作品を写真に撮って記録しておくこともできますが、当時は出席者に見てもらったらそれで終わりですよね。
舞台芸術みたいな、はかない芸術です。